4月5日、都内で「NPビジネスセミナー2013 相続・事業承継対策基礎講座」を開催し、中小企業経営者や税理士・会計事務所職員、保険業界関係者ら多数が参加した。 芝田税理士は「徹底して形式を整えること」を贈与に関しての最重要ポイントと位置付け、贈与契約書について、必ず本人が署名するとともに混同を避けるためにも印鑑はフルネームのものを使用すること、毎年作成することなどを推奨した。 また財産は贈与を受けた者が管理し、後々になって贈与事実の認定の問題が生じないためにも「形式の整備」が重要だと訴えた。 大きな相続税対策が可能になる相続時精算課税制度については、「後の相続時に相続する予定がなければ利用する価値はある」と述べたが、一度選択すると二度と暦年課税が利用できないデメリットも含め、慎重に見極めるのが肝心だと語った。 相続税対策については「とにかく時間をかけて少しずつ」が基本であるとし、可能な限り資産は配偶者や子どもや孫などに分散し、5年、10年、15年と期間を設定して、その上で税負担率と比較しながらも、「時には思い切った贈与を行うこともあり得る」と述べた。 自社株の、類似業種比準価額の割合を大きくすることで評価を引き下げる手法や、配当を抑えることによる引き下げなどの具体例を紹介した。 また非上場株式に係る相続税や贈与税について、納税猶予制度の活用方法を体系的にまとめた表を通して、事業承継税制の改正点を解説した。 加藤税理士は事業承継の本質について「ただ会社を承継するのではなく、後継者は新たに起業承継するつもりで取り組んでいく意識を持ってほしい」と締めくくった。 |