「信託は、後見や代理などにはない柔軟性と幅広い選択肢がある財産管理制度だ」と嶋税理士は言う。その柔軟性の一例として、浪費癖のある息子の給与を信託にして財産管理する親の話などを挙げ、委託者の希望を最大限に活かせる手段として利用できるのが信託だと語る。所有者が将来を託せる人(受託者の家族)に資産を預けて権利を委譲する「家族信託」については、委託者が「お母さんを大切に」と条件を設定できたり、「お父さんが死ぬまで」と期間を指定したりでき、法務局への登記も行うため法的に守られるので生前贈与としても活用できると解説した。 「いつ死亡するか?」「その時の相続税はどの程度必要か?」などの予測からはじめて、家族の名前、年齢、職業等を聞き、親族関係図の作成も重要だと語る。嶋税理士は顧問先に対しても「何の目的で信託を活用するかを十分に確認する」とし、その目的や将来設計を明確にした上で慎重に検討する必要があると述べた。 |