9月27日、東京・豊島区で「NPビジネスセミナー2013 相続税実務基礎講座」を開催した。今回は「相続税調査」と「資産評価のポイント」の2部構成。 相続税の基礎控除の引き下げに伴い、相続税課税対象者が増えることが予想されることについて、「東京23区については3分の1以上が対象になると言われているが、実際に小規模宅地の特例によって課税されないケースも多い」と言う。「今後、われわれ税理士の仕事は増えるが、その分しっかりとやらなければ損害賠償に発展することもある」と述べた。 相続税申告の依頼がきたら、まず「小規模宅地の特例が適用するか否かを把握すること」をポイントして挙げた。特に小規模宅地の特例の適用に関して判断に迷った際は、「自分はプロだから」などと躊躇せずに、所轄税務署で事前確認することを勧める。その時に、万が一の場合の責任回避のためにも応対した担当者名も聞いておくことも付け加えた。 高橋氏自身が過去に修正申告を否認されたケースを紹介。反省点は「事前確認を行わなかったこと」と明かし、依頼人の話を信用して修正申告を行ったものの、否認されれば「税理士が悪い」となり、最悪損害賠償の危険性もあると語り、「依頼人は本当のことはすべて話さない」ことを肝に銘じたうえで事前確認の必要性を再三にわたって訴えた。 土地評価以外に金融機関資料については、「効率よく集めることに注力するべきだ」と話した。金融機関では同じような形式の書類であることが多いため、「残高証明書(相続用)」「定期預金未払利息計算書(相続手続用)」などの必要書類をフォーマット化したものを、「この書類を金融機関に貰ってきてほしい」と依頼人に渡すことで手間が防げると語る。 財産評価のポイントとして、事前確認のほかに、原戸籍のチェックや不整形地の評価など、他人(専門家)に依頼できることは依頼するべきだと述べる。さらに相続に強い税理士に最終チェックを依頼することも大切だと語った。 |