だが、そうした日本人の多くが世界各国の法制度を理解せずに資産フライトを実行していることを指摘し、「資産フライトを計画性なしに実行に移してしまうことは、大きなリスクを背負うことになりかねない」と警告した。 奥村氏によると、日本人が資産フライトする場合の有効な手段として「信託」を推奨している。 「日本と違いアメリカなどでは戸籍制度が存在しない。法定相続人を証明するだけで一苦労となる。そのため米国などでは資産のほとんどを信託にしている。信託を覚えないと、香港やシンガポールなどで財産を持つことは大変危険になる。 海外で不動産を購入する場合、信託名義を作って、契約書で委託者に何かあったときは名義を受益者に変えてもらう方式を作ること。この仕組みをつくっておかないと相続が発生した時にスムーズに妻や子どもたちに財産が移行しなくなる」とアドバイスした。 |