広大地とは、その地域の標準的な宅地と比べて著しく広大な宅地で、経済的に最も合理的な開発行為が戸建て分譲であり、分譲をしたときに潰れ地が発生する土地を指す。該当すれば路線価評価が大幅に下げられるため、相続の成功が大きく左右される。 下ア氏は広大地判定について、「基準があやふやなこともあって、国税不服審判所とのたたかい≠ノなることが多い」として、理論武装≠ェ必要という点を強調した。 広大地判定の形式基準としては標準的宅地の地積の算出やマンション適地か否かの判断、路地状敷地開発の判定、実質基準としては鑑定評価における開発法の判断が挙げられた。下ア氏は最有効使用(不動産の効用が最高度に発揮される可能性のある使用法)の判定が重要であるとしたうえで、絶対的な基準はないことを示した。 そこで、判定基準を知るためのひとつの手として、複数の裁決事例を紹介。納税者側が示した開発想定図を紹介しながら納税者の主張の認定・否認の理由を説明した。 広大地の適用が否認された場合、影響は大きなものになる。そのため、「専門家が納税者に対し、広大地の特例が適用できると安易に保証すると、損害賠償を受けることがある。契約時に確認書をとるなど対策が必要」と付け加えた。 |