10月3日、会社分割や株式交換などの税務対策に詳しい佐藤信祐事務所の佐藤信祐公認会計士・税理士が「組織再編テクニック」をテーマにして講演した。 佐藤信祐氏は組織再編で相続税を節約するためのポイントとして、「株価の引き下げなどを組み合わせることが効果的」と説明。組織再編を行う上での押さえるべき項目は、@合併、A会社分割、B株式交換、C株式移転――の4つのスキームだとした。 まず合併に関して組織再編税制を利用する際、非適格となるのは「事業承継で事業継続の要件を満たしていない」ことや「事業の体を成していない」場合であると指摘するが、相続のために組織再編する場合はおおむね適格になるという。次に、会社分割で特に留意すべき点として、会社を分割して利益縮小すること、株式移転との組み合わせること、簿価純資産を減らすことなどを示した。 「兄弟を親子関係にする」と例えられることもある株式交換については、登記が不要で手間がかからないことから「一番コストの低いスキーム」として勧める。 株式移転のメリットとして佐藤氏は、「現在の株価を下げ、株式移転することで株価の値上がりをブロックできる点」と挙げた。また案件ごとの社員の対応スキルについても、例えば株式交換の場合は、事務所の20代の若手スタッフのスキルでも十分対応可能だと話す。反対に株式移転になると「最低でも5年、欲を言えば10年のキャリアで豊富な経験を持つスタッフが望ましい」と述べた。 |