服部氏は冒頭、相続税の課税対象者のうち2割が税務調査を受け、調査を受けるとその8割には何らかの申告漏れなどが見つかるという現状を紹介。特に指摘を受けやすいのは名義預金などの金融資産であることを強調した。 実際に調査官が現地調査に訪れたときの1日の流れを詳しく解説。午前は相続人からのヒアリング、午後は通帳などの現物確認というのが大きな流れであるとした上で、同席する顧問税理士は午前中のヒアリングで、税務調査官が何を狙いに調査に着手し、どういう情報を欲しがっているかをなるべく早く把握することがポイントだと説明した。「調査官は無駄な話は一切しない。どんなにささいな世間話でも必ず何か狙いがある」として、顧客とは前もって予想される質問への受け答えの予行演習をしておくことも提案した。 相続税の税務調査で問題となることが多い「名義預金」については、「真実の預金者が誰であるか」をポイントとして挙げた。専業主婦の配偶者に数千万円の預金があったり未成年の孫に数百万円があったりすると、調査官に口座の管理状況やお金の出所について質問を受ける可能性が高い。前もってそれが相続人特有の財産であると説明できる十分な理由を準備しておくべきだとした。 |