普通株式とは異なる権利・義務内容を持たせることができる「種類株式」、特に拒否権付株式、いわゆる「黄金株」の解説に重点を置いた。黄金株は、その株主が同意をしなければ株主総会の一定の決議事項を可決できない仕組みの株式を指す。小谷野氏は「黄金株を発行しておけばよい(事業承継は成功しやすい)といったような誤解≠烽るが、内容をしっかり分かったうえで使うことが大切」と指摘。黄金株を活用できる場面として、社長を退く先代が後継者の立場を尊重する人であり、そのうえで会社が無謀な決議をしないように先代に判断してもらうケースを提示。先代が権利を乱用してさまざまな決議に反対する危険性が黄金株発行にはあることを示唆した。 後継者不在時の事業承継としては、外部からの人材招聘、株式公開、売却(M&A)、清算といった選択肢を提示。株式公開をすれば人材確保が容易になり、管理体制も強化されることで後継者が育成しやすくなるとした。さらに、MBO、種類株、属人株を活用した事業承継M&Aの事例を紹介した。 |