広大地特例は、認められれば不動産の相続税評価額を大幅に引き下げられる有効な節税策だが、あいまいで解釈の分かれやすいものとなっている。国税局や税務署の担当者によって結果が大きく変わる現状を説明し、是認の可能性が20〜60%の案件こそ「税理士と不動産鑑定士の力量が問われるチャレンジ案件だ」と力を込めた。 事例紹介では、適用要件のうち「開発道路が必要と考えられる土地であること」が最も解釈の分かれる部分だとして、税務当局側が開発道路を必要としない分譲方法を提示してくるケースが多いとし、その際には道路から奥の宅地まで細い私道を通す「旗竿地」を用いて「開発道路を使わずその分を宅地として売ったほうが面積が多く、経済的に合理的だ」と主張してくることを紹介。「調査官の技量によって是認されるか否認されるかやってみないと分からない」と広大地判定の難しさを認めた上で、相続時に開発道路を必要とする地形に分割するテクニックなども紹介し、顧問先のための大きな武器になりうる広大地の活用法を語った。 |