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信託税制だけでなく国際税務のエキスパートでもある奥村税理士は、「日本の信託制度は、アメリカの信託制度をそのままコピーしている」と制度の成り立ちを紹介し、米国に比べて日本ではまだ制度が定着していないという現状を解説した上で、今後は認知症患者の増加とともに日本でも信託の活用が一般化していくとの見方を示した。

実際に家族信託を利用するに当たって奥村氏は、認知症になった人の財産を動かそうとしても成年後見人となっただけでは制約が厳しすぎ、財産の運用を柔軟に行えないことなどを理由に、「成年後見制度と家族信託は必ずセットで利用すべき」と呼び掛けた。

また家族信託は新しい制度のため、法的な解釈が定まらない部分が残っている点を解説。その他にも、信託の種類によって納税義務者や課税のタイミングが変わることを多数の事例を実際にひもときながら紹介し、信託契約期間の途中に受益者が死亡してしまったケースや、法定相続人でない人を受益者に指定した時の課税関係など、信託税制の仕組みと実務でのポイントを語った。