2017年度税制改正では、規模の大きな宅地の評価(新広大地評価)が見直され、面積に加えて形状などの土地の個性≠ノ応じた補正率を適用し、奥行きや間口の値を少し間違えただけで評価額に大きな差が出るようになった。この点について下崎氏は「2千uを超える土地では1千万〜2千万円変わってしまうこともある。登記所に保管された土地の公図のデータは必ずしも正確とは限らないため、専門家が改めて測量するべき」と広い土地を評価する際の注意点を挙げた。 また、旧広大地評価では不明確だった適用要件が明文化されたことで、これまでなら評価減できた、@路線価地区区分の「中小工場地区」の土地、A地積規模の要件に満たない土地、B指定容積率300%の地区で道路の幅員で制限のある土地―が減額の対象外になり、「相続税や贈与税の負担が増えるおそれがある」と解説した。@の土地については都内の中小工業地区にある1600uの整形地(路線価20万円)でシミュレーションを行い、改正前の評価額は1億6640万円であるのに対し、改正後は3億2千万円へと92%増にもなると分析。そして「新しい広大地評価制度のもとでは、中小工業地区にある広い土地の評価額は時価を超えることもあり得る」としたうえで、不動産鑑定士の鑑定評価によって評価額が引き下がる可能性もあると語った。 |