日本商工会議所(日商、小林健会頭)は、全国商工会連合会などの中小企業関係4団体と連名で、外形標準課税の中小企業への適用拡大に反対する意見書を公表した。総務省の審議会では、中小企業に認められている優遇税制などを適用することを目的に資本金を1億円以下に減資する大企業が後を絶たないことから、こうした企業も外形標準課税の対象になるよう仕組みの見直しを求める案を取りまとめている。これについて意見書では、無関係の中小企業にまで外形標準課税の対象が及ぶものと「断固反対」との立場を表明した。
外形標準課税は、利益に応じた課税とは異なり、事業所の床面積や資本金などに課税される地方税で、見直し案では、資本金と資本剰余金の合計が一定基準を超えた場合も課税対象に加えるとしている。
こうした動きを受けて鈴木淳司総務相は11月17日の記者会見で、外形標準課税について「実質的に大規模な法人を対象に制度的な見直しを検討するものであり、中小規模の企業を対象とするものではない」と中小企業への適用拡大を否定した。
日商の小林会頭は記者会見で、資本金を減資して課税を逃れる大企業に対して、「脱税行為ではないが、言葉を選ばず言えばセコイ」と批判した。