政府が12月22日に閣議決定した2024年度予算案で、国税庁の予算は前年度比で4%弱の微減となった。納税者サービスのための「納税者利便性向上経費」や、税務大学校経費、国税不服審判所経費などが前年度より減少した。
国税庁の24年度予算は6170億300万円で、23年度当初予算の6416億5200万円から246億4900万円マイナスと3.8%減った。納税者利便性向上経費が前年度比2.6%減、職場環境整備・安全対策経費が同7.6%減と減ったことなどが影響した。一方、前年に比べて増加したのは、国際化対策経費、庁局署一般経費、税制改正関係経費などだった。特に税制改正関係経費は前年から26.8%の大幅増となった。
なおこれらとは別に、23年度補正予算で、インボイス制度に関する相談支援の強化に4億円、定額減税相談支援として17億円、日本産酒類の海外展開を支援する事業経費として14億円が措置されている。
人員面では前年から1176人を増員する一方で、定員合理化によって1140人を削減。24年度の定員は5万6380人で、前年度より36人の増加となった。
役職で見てみると、国際的な租税回避への対応などのために国税庁に「国際徴収調整官(仮称)」を設置する。また経済取引のデジタル化に対する調査・徴収のために東京国税局に「査察情報技術解析課(仮称)」を新設する。そのほか各地の国税局に国際税務専門官や情報技術専門官を増員する。
さらに20年にスタートした、税務署間の照会事務などを統括する「業務センター室」の機能を拡充するため、各国税局に「統括国税管理官」、「主任国税管理官」を大幅増員する。