出張・経費クラウドサービスを提供しているコンカー(東京・千代田区)が、インボイス制度の要件緩和を求める提言を発表した。キャッシュレス決済を利用した経費精算で、インボイスの受け取りを不要にするべきと訴えた。
橋本祥生社長は、「日本は今後、労働人口の減少が懸念されている。人手が足りなくなっていく中で、経費精算のような付加価値を産まない業務を削減することは、日本として早急に取り組むべき重要な課題だ。日本の競争力強化、生産性の向上のために、私たちは要件緩和を目指し、関係各所の連携を進めていく」とコメントしている。
インボイス制度の開始前は、キャッシュレス決済時に明細データが経費精算システムと連携していれば領収書の受け取りは不要だったが、制度開始後は明細データにインボイスに必要な情報の記載がないために、キャッシュレス決済時でも紙の領収書をもらう必要が出てきた。
コンカーが行ったアンケート調査では、インボイス制度開始によりキャッシュレス決済時にも領収書をもらう必要が生じたことについて、経費管理者の85.4%と経費申請者の69.4%が「面倒になったと思う」と回答している。
コンカーはインボイス制度による経費精算業務の負担を年間人件費に換算すると1兆4045億円になると試算しており、経費精算作業に費やす時間が増加することで、生産性が下がることを指摘した。