高額納税者のふるさと納税 恩恵と注意点  返礼品にも税金はかかる

 ふるさと納税は、高所得であればあるほど得をする。その理由は「寄付上限」の仕組みにある。同制度では、自分の住む地域以外に寄付をすると、手数料2千円を差し引いた残額が本来住んでいる土地に納めるべき住民税などから差し引かれる。差し引かれる額には上限があり、住民税のうち所得割額の20%を超えた寄付は、何の税優遇も受けられない純然たる寄付となってしまう。仮に寄付上限100万円の人が満額を寄付したとすると、99万8千円分は本来自分が納める税額から差し引かれることになる。この「2千円負担」は所得にかかわらず一律なため、2千円を引いた額が多い、つまり所得が多い人ほど税金と相殺できる額も多い。そして寄付金額の多寡を問わず寄付者の実質負担は2千円で変わらないが、寄付金額が高ければ高いほど「返礼品」の内容は豪華になる。これが高所得者こそがふるさと納税制度の恩恵を最大限に受け取れる理由だ。ただ高額納税者は、返礼品の税金に注意を払わなくてはいけない。ふるさと納税の返礼品は、所得税の対象となる。税金がかかる境界線は50万円で、受け取った返礼品の価値が50万円を超えるなら所得税が課される。


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