国土交通省は9月17日、2024年の「基準地価」を公表した。全国の平均地価は前年比1.4%プラスで、コロナ禍で落ち込んだ21年から3年連続で上昇した。
基準地価は、2024年7月1日時点での全国の土地の値段を都道府県が調査したもの。土地取引や固定資産税評価の目安になり、1月1日時点の地価を調べて国土交通省が発表する「公示地価」を補完するものとも言われる。
全国の平均地価の伸び率1.4%はバブル崩壊後の1991年の3.1%以来の高さで、用途別に見ると、住宅地は前年比0.9%で、商業地は2.4%の伸びを見せた。
商業地のうち東京圏が7.0%、大阪圏が6.0%と大きく上昇したほか、札幌・仙台・広島・福岡の「地方四市」では8.7%ものプラスとなった。地方圏でも上昇が目立ち、主要都市を除いた地方圏の商業地は、バブル期以来32年ぶりに上昇に転じた2023年に続き上昇を維持した。国交省は「大手半導体メーカーの工場が進出する地域では、関連企業も含めた従業員向けの住宅需要のほか、関連企業の工場用地や店舗等の需要も旺盛となっており、住宅地、商業地、工業地ともに高い上昇となっている」と分析している。
地価が最も高かったのは19年連続で「明治屋銀座ビル」(東京・中央区銀座2丁目)。1㎡あたり4210万円で、前年から5.0%上昇した。