会社の得意先を飲食店で接待することは企業にとって日常だが、相手様ともっと深くお付き合いしたいときには、役員が自宅に招いてもてなすこともあるだろう。その際、振る舞った飲食にかかった費用は交際費として計上できるのか。
まず、交際費とは、その会社の得意先や仕入先その他事業に関係ある者に対する「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」とされている。そして、その接待を行う場所については特に決められていない。したがって、役員や社員の自宅で接待した費用も理屈上は交際費に該当することになる。
だが、交際費に該当するためには、その接待の明確な目的が問われることになる。目的が、会社の業務に関連して得意先と親睦を深めることであれば、その費用は会社の交際費に該当することになるが、役員と得意先が友人関係で個人的な付き合いでの招待であるというような場合には、その費用は役員個人が負担すべきものとなり、会社の費用とすることは認められない。もし個人的な費用を会社の費用としていると、その費用相当額は役員に対する給与として取り扱われることとなるので気を付けたい。