早期退職者一時金の税務処理  名前は異なっても退職所得扱い

 社会環境の変化やグローバル競争の激化などにより、大企業でも終身雇用の体制から脱却するケースが増えている。かつては「入れば安泰」と言われていたような上場企業が数千人規模の早期退職希望者を募るのも今では珍しくない。
 人件費の削減や社内人材の若返りを目指して早期退職者を募る場合、長年の恩に報いるべく、希望者に対して退職金とは別に特別加算の一時金を支給することが考えられる。この一時金の税務上の取り扱いはどうなるのか。
 会社が従業員に支払うお金には、大きく分けて「給与所得」と「退職所得」の2つがある。給与所得とは、給料や賞与の性質を持つ金品を指し、金銭で支払われるものだけでなく、物や権利などのいわゆる現物給与も含まれる。一方の退職所得とは、退職手当や一時恩給といった「退職により一時に支払いを受ける一切の給与」を指す。
 早期退職希望者に対する特別加算の一時金は、早期退職を優遇する制度の適用を受けて退職する人に支給されるもので、まさに「退職により支払いを受ける給与」に他ならない。つまり通常の退職金と同様に「退職所得」として取り扱うこととなる。その際には、会社に源泉徴収の義務が生じることも忘れないようにしたい。


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