国税は金銭で一度に納付することが原則だが、相続税や贈与税に限っては、額が大きくなることに加え、残された財産の現金化が困難な場合があるため、分割払いができる「延納制度」が設けられている。延納には原則として担保が必要で、国債、地方債、社債その他の有価証券、土地、建物、立木、自動車、船舶、機械などが担保として認められる。
税金の分割払いとはいえ、ローンであるからには当然ながら一定の利子が必要になる。この利子は「利子税」という、れっきとした税金の一種だ。類似の名称の税金として延滞税があるが、これは納付期限までに税金を納めなかったときに課税されるもので、利子税とは異なる。
さて、この利子の額を減らすためにも、毎回の支払いで予定より多く納めることは可能だ。そして利子税の異なるものが2つ以上あったときの充当の順序はあらかじめ決められている。真っ先に充当されるのは、動産などにかかる延納相続税額で、次が不動産または立木などにかかるもの、そして緑地保全地区内などの土地にかかる額で、最後が計画伐採立木となっている。ただし、納税者が特に指定すれば、この順序にかかわらず充当することができるので覚えておきたい。