社員の希望に応じて、それぞれ受ける福利厚生制度を選択する仕組みをカフェテリアプランと呼ぶ。忘年会や社員旅行も福利厚生制度のひとつだが、これらは原則として「全社員参加型」の福利厚生制度で、いわば固定した「定食」のようなもの。これに対して、あらかじめ決められた定食ではなく、コーヒーや紅茶などのメニューから任意に選択する「カフェ」のようにいくつかの福利厚生制度が設定されているものがカフェテリアプランというわけだ。1980年代にアメリカで流行し、それを95年にベネッセコーポレーションが導入したのが日本では初めていわれる。
具体的な運用方法としては、福利厚生サービスを提供する専門業者と契約し、社員にポイントを与え、社員がポイント利用をして福利厚生サービスを受けるというかたちが一般的だ。
カフェテリアプランによるサービスを給与等ではなく福利厚生費とするためには、役員を含めた社員全員にとって均等なものでなくてはならない。社員の職務上の地位や報酬額に比例してポイントが付与されるものは、その内容にかかわらず、カフェテリアプランの全てについて給与等として課税されることになる。加えて、給与等として課税されない経済的利益は企業から現物給付のかたちで支給されるものに限られるので、ポイントを現金に換えられるなど換金性のあるカフェテリアプランでは、その全てについて給与等として課税されてしまう。