固定資産税と償却資産税は何が違う?  機械設備にかかる地方税の一つ

 固定資産税というと土地や建物にかかるものというイメージを持つ人が多いかもしれない。だがその他にも、事業のために使う設備で、耐用年数1年超かつ取得価額10万円超の減価償却資産には固定資産税が課される。税率は、市町村が決める固定資産税評価額の1.4%で、これを「償却資産税」と呼ぶこともある。つまり償却資産税とは、固定資産税のうち、事業に使う建築設備や機械装置などにかかる税金のことだ。
 米国、カナダ、英国など償却資産に対する課税制度がある国でも、その対象は鉄道や電力施設など土地家屋と一体化している設備となっていて、日本のようにさまざまな機械装置や器具備品に幅広く課税している国はほとんどない。事業者の申告に基づき自治体が課税するが、申告が行われていないことも多いようだ。
 さらに製造業など、業務の性格上多くの設備投資を必要とする業種ほど税負担が重く、国税と異なる償却資産の評価方法が事業者の理解を難しくしているなどの課題もある。同税の廃止か抜本的な改革を求める声も上がっているが、地方自治体の貴重な税収源だけに、当面は廃止されることはなさそうだ。


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