はしかが流行 予防接種費は控除できず  自治体が費用助成 まずは抗体検査を

 麻しん(はしか)患者が急増している。国立感染症研究所によると、3月16日時点で今年の報告数は32人。このうち、少なくとも22人が3月以降に感染しているという。はしかは本人自身に肺炎や脳炎など深刻な症状を引き起こすだけでなく、極めて強い感染力を持ち、特に妊婦が感染すると流産リスクが上昇するなどのおそれがある。
 はしかの感染症の患者が増えている背景には、保健政策の変遷のなかで十分な予防接種を幼少期に受けられなかった“空白世代”が生じていることや、ワクチンの効果への不信などから子どもにあえて予防接種を受けさせない親の増加などがあるという。ともあれ、自分のためだけでなく家族や周囲のためにも、これらの予防接種を受けていない人はなるべく早く接種を受けるべきだろう。ただ、はしかの抗体検査や予防接種の費用は、医療費控除の対象にはならない。医療費はあくまで病気やけがの治療にかかる費用を指し、病気にかからないために受ける予防接種は該当しないというのがその理由で、これはインフルエンザなどにも当てはまる。
 そこでチェックしたいのが、自治体のホームページだ。多くの自治体では抗体検査や予防接種費用の助成を行っていて、例えば東京・新宿区では、①19歳以上の女性で妊娠予定、または妊娠を希望する人、②そのパートナーや妊婦のパートナーおよび同居者――のいずれかの条件を満たす人に対しては、無料で抗体検査を実施し、予防接種にも最大5210円の助成を行っている。自治体によっては、予防接種の空白期間に該当する世代(2歳~高校生相当以下)を対象にしているところもあり、この機会に抗体検査や予防接種を受けることをお勧めしたい。


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