▼今週の注目記事  社長のミカタ 8月号 1面

持続化給付金
個人家主に不支給の怪

 持続化給付金をめぐり、個人家主から不満の声が上がっている。同じ不動産業でも法人は受給できるのに対し、個人経営の大家さんは受け取れない仕組みとなっているためだ。国は対象から除外している理由として、個人による不動産経営は「株式投資等と類似する」ことを挙げており、事業継続のために支給する給付金の目的にそぐわないと判断している。だが、全ての不動産業が単なる投資というわけではなく、生活の糧としている人もいる中で、個人家主を一律に対象外とすることを問題視する専門家も多い。苦しい生活を強いられる家主を支える制度への見直しを求める声が高まっている。

納税猶予と事後選択制度

 「家賃収入を生活の糧にしていた大家が、収入の大幅減で苦しい暮らしを強いられている。それなのに、給付金を受け取れないというのはおかしな話」

 岡山市の森松秀人税理士のもとには、給付金を受け取れない個人家主から悲痛な声が寄せられている。借主の収入が大幅に減少し、家賃の減額要請に応じざるを得ない大家が多いそうだ。

 大家が受け取れていない給付金とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上が減少した事業者を対象とした「持続化給付金」だ。売上が前年同月と比べて50%以上減った場合に、個人事業者なら最大100万円、法人なら200万円を受け取れる。

 この給付金の対象となる業種について、経産省の資料では「農業、漁業、製造業、飲食業、小売業、作家・俳優業など幅広い業種」と記載している。だが幅広いはずの対象業種に、個人の不動産業は含まれていない。これは、給付金を受けるために必要な前年同期からの売上減という条件に当てはまるのが、「事業収入」の減少に限られているためだ。法人であれば不動産賃貸で得た賃料を含めた売上が事業収入となるが、個人の場合は「事業所得」に該当する収入だけが事業収入と判断され、所得税法上で「不動産所得」とされる大家の不動産収入は除外される。そのためどれだけ不動産収入が減っていても、個人は給付金を受け取れない仕組みとなっているのだ。

 今後は事業所得として確定申告していなかったフリーランスも受給できるようにするため、「雑所得」や「給与所得」の減少でも給付金の対象とすることが決まっている。しかし不動産所得は計算に含めないという方針は現時点で変更していない。

 制度の問題点に対する指摘や不満は国に届いていないわけではない。5月29日には日本共産党の笠井亮議員が、梶山弘志経済産業大臣に対して「テナントの撤退や家賃の減免で収入が大きく減ったオーナーのような、主たる収入が不動産所得となっている個人事業主などが対象外となっている。新型コロナの第二波、第三波が懸念されていている中で、対象に追加することを検討してほしい」と訴えかけた。これに対して梶山氏は、対象に含めていない理由について、「(個人の不動産業は)資産運用という点で株式投資と類似する」ことを挙げている。つまり他の事業とは違い、不動産業は事業というよりも投資的な側面があるため、給付目的にそぐわないという見解を示したことになる・・・

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