▼今週の注目記事  社長のミカタ 8月号(通巻99号) 1面

脱税額10年前の4割に
マルサの網から逃れる海外取引

マルサ(国税査察官)の“成果”となる脱税総額が、10年間で4割にまで減っていることが分かった。不正行為自体が少なくなっているのであれば良いが、悪質な脱税が巧妙な手口によって水面下に潜んでいるのであれば状況は変わらない。国税当局は隠れた脱税を発見するため、不正が起こりやすい取引や行為に目を光らせており、査察の重点項目として「国際取引」「消費税還付」「無申告」を挙げる。納税者は国際取引や消費税還付に関する典型的な不正事例を確認し、当局から余計な疑念を抱かれないようにしたい。


消費税還付で不正な儲け

マルサが平成29年度に処理した脱税案件の総額は135億円で、統計を取り始めてからの46年間で3番目に低いことが国税庁の発表によって分かった。10年前(平成19年)の350億円と比べると38・2%にまで下がっている。刑事告発の件数でみても、29年度は前年の132件から113件に減り、平成で2番目に低い数字となった。

マルサの査察調査は、通常の税務調査とは性質が根本的に異なる。通常「税務調査」といえば、納税者の同意に基づいて帳簿書類の検査や提出を求める「質問検査権」の行使を指すことが多い。だが査察は、故意に不正な手段を用いて巨額の税を免れる行為に対して、正当な税額を課すだけでなく、刑事上の責任を追及して刑罰を課すことを目的としている。そのため、通常の調査よりも強制的に納税者を調査する。

だが海外の資産や取り引きについては、その強制力が効きにくいようだ。国税OBの松嶋洋税理士(東京都)は「外国が絡む案件は国税当局にとって弱い部分。他国との取り決めで得られる情報だけでは、海外の資産や取り引きの把握は難しい」と指摘する。

海外資産の把握が困難であることが、査察調査の着手に歯止めをかけている実態もある。通常の税務調査は、売上除外や架空経費など損益ベースの不正を発見することが端緒となる。これに対して査察は、裁判所の令状が必要なため、国税当局は脱税の疑いがある者の隠し口座や資産などの不正計算の裏付けを先に把握し、捜査することについて裁判所を納得させるところから始めなければならない。別の国税OB税理士(大阪府)は「査察を行って何も・・・

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