▼今週の注目記事  税新1683号1面

菅政権の中小企業改革
200万社 淘汰の時代へ

 政権が中小企業基本法の見直しに向けて動き出した。税制上の優遇措置や補助金を受けられる中小企業の定義を変え、再編や経営統合を促すという。企業の生産性を向上させることで、賃金の引き上げにつなげたい考えだが、改革によって「淘汰」される中小企業は200万社に及ぶ可能性もある。顧客の大半を中小企業が占める税理士業界は、かつてない厳しい時代を生き抜いていくことになりそうだ。

最賃引き上げで落第企業を選別

 中小企業の再編に向け、政府は具体的な取り組みに乗り出すという。目下、検討されているのは中小企業基本法の改正で、業種ごとの資本金や従業員数を定める同法の仕組みを改めることで中小企業の定義そのものを変えるとしている。さらに、企業の合併・買収などを促す税制も検討課題に挙げ、コロナ禍で体力的に継続が難しい企業を吸収しやすい仕組みを作る。

 中小企業改革について菅首相に大きな影響を与えているのが、成長戦略会議有識者メンバーでもある元金融アナリストのデービッド・アトキンソン氏というブレーンの存在だ。小西美術工藝社の社長でもある同氏は、「日本の大企業の生産性は海外に比べても変わらないが、全体の99.7%を占める中小企業が全体のレベルを引き下げている」として、現在358万社ある中小企業を2060年までに160万社まで減らすことで企業の生産性を上げるべきだと主張する。一定以上の規模に集約することで設備投資を増やし、効率化、輸出増、有休取得率の向上、社員教育、女性の進出も見込めるという。

 これには財務省も同調の姿勢を見せる。年末や年度末を控えて経営状況が厳しい中小企業は増加することが予想されるが、持続化給付金や家賃支援給付金については「予定通り終えるべきだ」といった声が大きくなっている。10月26日に財務省で開かれた財政制度等審議会の部会では、無利子・無担保融資や助成金を受けて経営を続ける中小企業を「ゾンビ企業」と呼び、1月15日までの申請分が対象の持続化給付金と家賃支援給付金は「延長せず予定通り終了するべき」との意見が多数を占めるなど、菅政権の政策理念である「自助」の考えが色濃く反映されたものとなった。そして、「中小企業の生産性向上のため優良企業に収斂させていくことも重要」として、人材流動化やM&A促進などに支援の重点を移していくべきだとする。

 また、菅首相は最低賃金の引き上げにも積極的で、安倍前政権でも最賃引き上げの議論を主導し、先の自民党総裁選でも最賃引き上げを政策として掲げてきた。最賃を無視したブラック企業が横行し、また経済格差が拡大するなかで、最賃の引き上げは世論の支持を得そうだが、体力のない中小零細企業に対するケアがないなかでは、リスクが大きいとの指摘もある。東京・中央区の本間邦弘社会保険労務士は「最賃の引き上げが中小企業の経営を圧迫しているのも事実。無計画に引き上げがなされた場合には最賃倒産≠招くおそれもある」と話す。さらに「最賃の引き上げ分を雇用調整で対応した場合には、雇用の安定や経済の底上げに逆行することになる。また最賃を支払うために賞与の減額で帳尻を合わせる企業も考えられ、必ずしも年収増にならないケースもありうる」と最賃引き上げの効果≠疑問視する・・・

(この先は紙面で…) 購読のお申込みはこちらから>>

▼連載ラインナップ
超人気コラム
 「税界羅針盤」 関根稔
日本一保険に詳しい税理士が教える
 「生命保険活用術」 高橋博
税界の今を切り取るオピニオン
 「税論卓説」 岡田俊明監修
土地のスペシャリストが吠える
 「不動産言いたい放題」 芳賀則人
新時代の顧問先強化
 「NPO法人の活用」 金子尚弘
一般紙では書けない銀行対策
 「資金繰り支援の秘訣」 上田真一
税界70年の歴史を業界最長老が語る
 「聞き書き 富岡幸雄」
税理士の盲点!?
 「もっとわかる地方税講座」 山口一雄
中小企業のサポートには不可欠
 「基礎から学ぶ会社法」 佐藤善恵
令和時代の必須スキル
 「国際相続の基礎知識」 中山史子
中小企業向けに絞ってお届け
 「オススメ助成金情報」 川澄佳美




“振り子時計”  次回の投票はこちらのフォームにて受付中!!

↓↓↓ 前回の結果 ↓↓↓



“税理士 川柳”  こちらの投稿フォームにて募集中!!






会計事務所のための広報・PRお役立ちコーナー