▼今週の注目記事  税新1703号1面

長期化するコロナ禍
顧問先の融資支援
キーワードは「将来性」

 コロナ禍で融資に積極的だった民間金融機関の姿勢が次第に慎重になりつつある。債務過剰の中小企業が増えたことにより、今後厳しい審査を行うことが想定できる。言わばコロナ前の厳しい審査に逆戻りと言えそうだが、複数の関係者に取材すると、コロナ前の決算書などの実績≠ノ基づく審査ではなく、企業の将来性≠ェ判断基準となりそうだ。説得力のある事業計画や損益計画が必要となり、税理士のサポート力が求められることになりそうだ。

審査対象はもはや決算書じゃない!

 コロナ禍の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済がとうとう始まった。中小企業庁によれば元本の据置期間を1年以内に設定していた企業は約6割に上る。民間金融機関で受付を開始した昨年5月から7月にかけて申し込みが集中していたことから、1年間の猶予期間が終了する企業が続出している。

 コロナ関連融資が始まった当初は事業者に資金をいち早く供給する必要があったことから、簡素な資料による申し込みでも審査は通りやすかった。

 しかし今後も融資を受け続けるためには、企業は自らの成長戦略を事業計画書に落とし込み、金融機関が納得する説明をすることが求められる。コロナ禍の長期化を経て、金融機関が企業の将来性を判断する「事業性評価」に基づく融資判断にシフトするとみられるからだ。

 事業性評価とは、その企業の事業内容や成長可能性を評価して融資判断することを指す。与信判断でこれまで重要視されてきた決算書の内容や担保、保証にとどまらずに評価するというものだ。

 金融機関の融資姿勢が「担保至上主義」と皮肉られるようになったのは、金融庁が1997年の金融危機以降、企業の財務体質により信用を格付する「金融検査マニュアル」にのっとって融資判断するよう指導してきた影響が大きい。その後、中小企業の資金調達に支障が出るとの批判の声が大きくなるなか、金融庁がやむにやまれず発表した改善措置の一つが事業性評価で、2013年に閣議決定された「日本再興戦略」にも盛り込まれた。

 事業性評価は、政府が具体的な基準を示さなかったことや金融機関の人材不足などの影響によりいままで浸透してこなかったが、コロナ禍での必要性に迫られて再注目されている。すでに中小企業の3社に1社が過剰債務の状況にあるといわれる今、過去の決算に基づいて融資を執行する従来の常識が通用しにくくなっているためだ。

 事業性評価では、企業自身の成長可能性を金融機関に対して説明することが求められる。特に重要なのが、経営者の経営能力や顧客資産、ブランド、技術といった、決算書には表れない競争力の源泉である「知的資産」の強みだ。客観的に企業の強みを分析する方法としては「SWOT分析」「5C分析」といった様々な手段がある。

 金融機関への説明には企業の強みや弱み、事業計画などを整理した経営計画書を作成することが求められる。説得力を持たせるためにはさらに複数年の損益計画を作り込み、数値に落とし込まなければならない。将来的にどれくらいの客数や売上が見込めるかといった複数年の損益計画や投資計画、資金計画等を策定するとなれば企業の独力では難しい。金融機関の審査担当者を納得させ、融資を引き出すためには税理士の協力が不可欠となる・・・

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